海月物語。

～就活

　次の日、来海は職安へ向かった。髪は、真っ黒に染まっている。来海は、まず相談窓口に行ってみた。
「森来海さん。二十歳ね。職歴は、なし。この辺で仕事探してるのか～。この辺はアパレル系しかないぞ？」
メガネをかけた狸みたいなおじさんが、書類を見ながら言った。
「アパレル？」
「そう。ん～。服屋の定員ってやつだな。森さん位の年代をターゲットにしたブランドもあるぞ。」
「私、服なら少し自信あります。」
「そうか。なら面接やってみたら？ただ、アパレル関係は人間関係が厳しいとか聞くこともあるからその辺頭に入れといてな。」