海月物語。

　来海の初めての就職。その面接の日取りが決まった。来海は、わくわくした気持ちを押さえ切れなかった。職安の帰り道、食材を買って海斗の家へと帰った。来海は、夕飯を作り、海斗の帰りを待った。海斗の喜ぶ顔を想像するだけで、来海は気持ちが高ぶった。ソファの上に体育座りをして時計とにらめっこする。夜の10時を回っても、帰ってこない。来海はうとうとし始め、とうとう眠ってしまった。
　朝になって、来海は目を覚ます。海斗は家に帰ってこなかった。
　来海は、少し心配になり、海斗の水族館へと向かった。手ぶらではと思い、夕べ作った料理を弁当に盛った。
　水族館へ着いた。館内を何回まわっても、海斗に会えなかった。