恋吹雪


「おいしいよ!香音」


「ありがと・・・・」


本当は優に食べてもらいたかった
怜ではなく、あなたに「おいしい」って言ってもらいたかった・・・


今年のバレンタインも、やっぱり心残りになるんだ・・・・。


「香音〜!おいしかったよぉ」


「そう?それね、渡せなかったやつなんだ・・・」


あたしは怜には聞こえないようにそっと呟いた。


「えっ〜何か言った?」


「別にー」


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