恋吹雪
あたしは急ぎながら教室に向かった。


一段一段階段を上がる。

誰にもすれ違わない。

聞こえるのはみんなの声。




「・・・・優は何組?」


突然後ろから声を掛けられた。


「あっ──え?」


「何よ!その顔ー!なんだぁって絶対思ってたでしょ!」


「うん。」


即答。
話しかけてきたのは
怜だった。


「知らないけどー」


あたしは知らないフリ。
知ってたら変に思われちゃうじゃんー。
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