かわいそうな童話


なんでこんな事思い出しちゃったんだろう。


自分の生い立ちなんて思い出さない方が幸せなのに。



過去なんて見ない、未来も見ない

今やる事を淡々とこなす


それが私が見つけた生き方だ。



母はいつも男ばかり、

私は家政婦のような生活を送り

18歳で商売道具になった


その証拠にお給料などもらった事がない。


母は店では私を最愛の娘と呼ぶ

「この子が私のすべてなの」と客の前で私を撫ぜる

いい母でありいい女の自分に酔いしれているのだ。


人形として生きる道を選んだ私も母の事が大好きなふりをする。


未来なんてない。

私はずっと母の人形だ。



洗濯物を取り込み終わろうとしたその時


黒いものが凄い勢いで私の横を通り過ぎ部屋に入っていった



カラス?


私は部屋をみた
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