かわいそうな童話

「ネバーランド?本当なの?本当にあるの?」


「あるよ!これは作戦なんだ」


「作戦?」



「イギリスのピーターパンがウェンディをネバーランドに連れてった童話は知ってるよね?



あれも作戦!あの童話を流して人々に長くネバーランドを言い伝えてもらうんだ。


そして数百年後、ネバーランドから1人の子供を家に帰してネバーランドの存在を知らしめる。」



訳のわからない話を続けるピーターパンと名乗る少年に私はお茶とお菓子を出した


それを勢いよく口に入れると

彼はすぐに話を続けた


「ネバーランドがこの世界を支配するんだ。完璧な世界だよ


ネバーランドの時は止まってる

子供は永遠に子供のまま歳をとらない


大人も一緒だ。


わかるね?


ネバーランドは天才を保管するためにダビンチが作ったんだよ」



「よくわかんない。けど」


「なんでわかんないの?ピカソも、エジソンもみんな生きてる!ネバーランドで!天才は全員保管されてる!

そして永遠の命を得た天才たちは文明を遥かに進化させ


完璧な世界にした。



バッハやベートベンの完璧な音楽

ピカソやルノアールの完璧な絵画


全ての芸術が完璧になった


完璧な主導者もいる。

完璧な科学者も」


「とにかく完璧なのね。」


私は適当に相づちを打った



「だからネバーランドに行こうよ!」


「なんで私が?」



「君は完璧に美しいから」


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