宿命(仮)
結局この授業は佐倉くんのひとり話だけで終わった。


ほんま、なんやねん
こいつ――――――


「うちの班きっまずいわ〜
斜め前の柴田さんとか言う子、
ずーっと下向いたまんまで
エプロン作っとんねん。
なんか喋れよみたいなななぁ〜」

と言って由希はあたしのお弁当に詰められていたウインナーをつまんで口に放り込んだ。


「うちんとこもな、佐倉とか
言う奴ずっと1人で喋って
1人で盛り上がりやって
めちゃシラケたで。」


あたしは由希の卵焼きを
さっと取って頬張った。
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