宿命(仮)

「まあ、今は否定してたって後でどうなるかなんかわからんで?じゃあうち帰るわっ。」

由希が素早くロッカーから鞄を出して走りだした。

「えっ、もうー?」

「彼氏、待たせとんねん。日誌、頼んだでぇ〜。じゃ、ばいばーい。」

その間10秒。あの鞄の中には何が入ってるんやろ。


教科書は入ってないな。




廊下をパタパタと走り、ピタッと立ち止まったかと思うとこちらを振り返り、

「うちは応援してんでー!!」

と叫んだ。
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