宿命(仮)
なぜ、それだけを
捨てずに、縛らずに
残してあるのか
理由は忘れられるはずがない
そのノートには
あいつとの思い出があるから…
あたしがわざわざ実家から
遠く離れた専門学校を受験し、
一人暮らしをすると
言い出したのも、もしかしたら
あいつとの思い出から
逃げたいと思う心が
あったからかもしれない。
パラパラとページを
めくってみる。
そっと目を閉じると
今でも鮮明に
思い出すことができる。
あいつの姿
あいつを好きなって
走り去るようにして過ぎた
高校生活の日々を…