宿命(仮)
スポーツ万能の琉依は
それをぱっとよけて
「おお〜怖っ。それより
姉ちゃんこのピンどこに
つければいいん?」
琉依は今日からあたしの
通っていた市立中学へ入学する。
「胸やろ?多分」
あたしは自分の新しい制服を
クローゼットから出して
言った。

「適当やな、ねぇは。
はよせな出る時間ちゃうん?」
そう言うと琉依はぷいと
後ろを向いて階段を
降りていった。

「わかっとるって!!も〜う」
あたしは慣れないブレザーを
着てカバンと雑誌の下に
埋もれていたピンクの携帯を
取って急ぎ足でリビングへ
向かった。
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