Love game
裏切り
「はぁ!? 補習〜!!?」
誰もいない…正確には、俺と数学の先生しかいない静かな教室に、俺のでかい声が響く。
「おう、そーなんだよ東條」
「待って竹やん!! 出てない授業ちゃんとチェックしてたぜ!?」
「そーみたいなんだけど…お前数え間違いしてない?」
「うっそ!?」
竹やんこと竹田 直久(数学担当)に、必死に食い付く俺。
どうやら出席日数が危ないらしい。
「マジどーにかして!」
「お前数学は出来んだからさ〜真面目に出てりゃ大丈夫なんだよ」
変なプリントに目を通し呆れ口調で言う。
「だって数学ってよく1限にあんじゃん?」
「間に合わないわけね」
「そーなんよ!!」
「バカたれ」
竹やんは「はぁ…」と溜め息をついて、「とにかく」と続けた。
「今日から2週間。放課後みっちり教えてやるから、サボんなよ」
竹やんは最後に「サボったら来年後輩と一緒に授業だからなぁ」と脅し文句を吐いていった。
…マジ泣きそう。
放課後?
今日から?
「ありえねー…」