春灯〜日々幸せに思う〜
式が終わり、同じ中学の人たちがたくさん集まった。
「じゃあ、今からタイムカプセル開けに行きまーす!」
相変わらず拓人の声は大きかった。
それに裕香や夏美、それに春輝や遼平と一緒に私はついていった。
学校に着くともう先生たちが待っていてくれて、私たちが埋めたタイムカプセルは掘られていた。
「紗南はなに埋めたの?」
春輝に声をかけられた。
「えー、なんだったかな?これって何でも埋めてよかったっけ?」
「多分何でもよかったよ。」
「えー、じゃあなんだろ?
全然記憶にないんだよね、ははは…」
久々の男の子との会話で少し戸惑った。
私は何かを忘れている気がした。