私の彼、後ろの彼。
2 私の守護霊
私の名前は天零(テンレイ)。
私は、守護霊。
人間には一人ひとり守護霊がついていて、人間の身を守っている。
私は璃子の守護霊を務めて、15年と10ヶ月ちょっと。
璃子は私のことが見える。
そして話をすることもできる。
守護霊のことが見える人間は全体からするとごくわずかだが、それは珍しいことでもなかった。
何百年、何千年もの間、守護霊は人間を見てきた。
人間の短い人生よりもずっと長く、我々は人間を守り続けてきた。
その何千年もの中で、我々のことが見える人間を担当したことがある、と多くの守護霊が教えてくれた。
本当は全く見えていないのに、見えているふりをしてお払いをするインチキな者がいれば、本当は見えているのに、毎日「私は何も見えない」と唱えながら過ごす者もいる。
人間とは実に不思議なものである。
私は璃子のことを生まれたときから片時も離れず守ってきた。
璃子の母親よりもずっと長く見ていた。
璃子の姉よりもずっと長く遊んでいた。
そして、璃子は母親や姉よりもずっと長く私と過ごしてきた。
赤ちゃんとして人間界に姿を現した時から、担当するものがなくなるまでずっとそばにいるのである。