私の彼、後ろの彼。
私は颯零のいう名の守護霊の後を歩いてトンネルを目指した。
遠くから見ると分からなかったが、トンネルの目の前に来ると黒い扉があった。
颯零さんは黒い扉を3回叩いた。
すると扉は開き、真っ暗闇の中、一本の白い道が浮かび上がってきた。
「天野君、この道を進んでください。私は後で行きます」
私は颯零に言われるまま白い道を進んだ。
後ろを振り替えると颯零さんが誰かにファイルのようなものを渡していた。
さっきまでそこにはいなかった誰かに。
ドンドンドン
急に何か木のようなものがぶつかり合う音が響き渡った。
トンネルの中は音が遠くまで響いた。
いつまでも耳に残り、消えなかった。
次の瞬間、目の前が明るくなった。
まぶたを開けることができないほどの光だった。
しばらくの間私は目をつむっていた。
そして、
「天野優輝(アマノ ユウキ)、目を開けなさい」
という男性の声が聞こえた。
私は恐るおそる目を開けた。