私の彼、後ろの彼。
「てんちゃん、明日から学校だから寝坊しないように起こしてね」
「はいはい」
てんちゃんは、私が反抗期のときにもずっとそばにいてくれた。
「璃子、ご飯できたみたいだよ」
そう言って私を部屋から出してくれた。
てんちゃんにも怒られたことはなかった。
いつも優しく私が自分で解決するまで見守っていてくれた。
私にはてんちゃんという守護霊がいたから、反抗期も乗り越えられたのかもしれない。
「今日はどんな夢がいいのかな」
私は夢について、てんちゃんから聞いたことがある。
私の夢はてんちゃんが作ってくれているということを。
「うーん。今日は嫌な気分になったから、なんか楽しい夢がいいな」
「分かった。じゃあ、もうおやすみ」
「うん。おやすみなさい」
こうして私は眠りにつき夢を見た。
鳥になって大空を飛ぶ夢だった。
翼を大きく広げ青い空を自由に飛び回る。
風を切って、どこまでもどこまでも進んでいける。
怖いものなんて何もなかった。
ただ大空を飛び回れることが嬉しかった。
私は楽しい夢を見た。