脱☆幼馴染大作戦!
「清水のどこがいいわけ!?」
もう何発目かわからないクッションを私に投げつけながら、そういう日向。
「えっ!?
えっとねぇ、清水くんはぁ…優しくて、笑顔が素敵で、
背も高……___」
「うるさい!喋んなバカ色香!!」
「は!?聞いてきたのは日向じゃん!」
「次、アイツの話ししたら殴る」
「な、何でよ!理不尽!」
日向なら、わかってくれると思ったのに!清水くんのよさ!
だって日向は、私のお兄ちゃんのこと大好きだもん。
背が高くて、優しくて、笑顔が素敵な私のお兄ちゃん。
だから清水くんのことも絶対好きだと思ったのに。
「うわっ!何!」
急に日向が多いかぶさってきた。
…重い…
「ばーかばーかばーか」
「バカじゃないし!退いて!」
「バカだし!前回のテスト50点だったじゃん」
「ちがっ…あれは…っ、体調悪くて…」
「はいうそ〜」
「うぅ…嘘だけど…数学嫌いだもん」
日向は何事もなかったかのように、起き上がって時計に目をやる。
「あ、8時だ。ドラマ始まるから帰って」
そのままベッドから降りて、部屋のテレビをつけた。
気分屋だ。
「なんのドラマ?」
「なんか猫のやつ」
「え、私も見てる!面白いよねぇ」
「うん、主人公のキャラ最高」
「わかるわかる」
と、2人でテレビの前に体育座りして、ドラマのオープニングに釘付けになる。