脱☆幼馴染大作戦!
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「愛里遅いね〜。」
「ね。職員室に用事って、何なんだろうね。」
放課後になって、2人で教室で勉強しながら日向が部活を終えるのを待つ。
愛里も一緒に、教室で勉強する予定なのに
職員室に行って以来戻ってこない。
「そう言えば、柏木さんって
日向が部活してるとこ、見たことあるの?」
「あー…そういえばないかも。」
何でも、プールのある施設に設置されている客席はいつもギャラリーが詰め寄せて
入るのも困難なんだとか。
もちろん日向のファンで。
よく、そこから出てきた女子が
惚れ直した、だとか
かっこよすぎた、とか言うのを耳にする。
一度は見てみたいかも。
「清水くんのはあるよ!
グラウンドなら教室からも見えるしね!」
清水くんはサッカー部。うまいっていう噂だ。
「そっかー。柏木さんに見られてると思うと照れるね。」
「超かっこよかった。他の誰よりも!本当に!」
これは事実。本当にかっこよかった。
それこそまさに惚れ直したってやつ。
「ふふ、柏木さんって直球だね。ありがとう。」
そう笑う清水くんが可愛くて。
「ねぇっ、圭太って呼んでいい?」
私がそう聞くと、「えっ」と聞き返してきた。
「いいけど、急にどうして」
そう言いながらもニコニコ嬉しそうな清…圭太。
ダメだ照れるなコレ。
「何となくだよ、何となく。」
「じゃあ、俺も色香にするね」
そう言って、私と目を合わせて笑う清水くん。
あー、好きだなぁ…