脱☆幼馴染大作戦!
「何作ろうか」
「愛里料理うまそうだよね」
「そう見える!?実はね、結構得意なんだよ!」
「やっぱりね。なんかそういうのわかるよ、愛理の女子力にじみ出てるもん」
「え〜、ぶりっこってこと?」
愛里がけらけらと笑う。でも、そんな笑顔がいつもと少し違ってて。
「ぶりっことかじゃないよ、尊敬してる、ほんとに。」
「急に何〜いーちゃん。へんなの!」
「…やっぱ本当になんかあった?愛理」
私が真剣にそう言っても、愛里は可愛い笑顔でにこにことごまかす。
「ねぇ、テスト勉強思いっきり必死で頑張ってさ、
そのあとに、全く勉強しないで夢中でゲームして、
こうやってご飯作ったりもしてさ、
そういうのって私すごく、すごく楽しい…!」
そうだ、タンドリーチキンにしよう!と愛里は冷蔵庫の中の食材を見定めながらひとりでうなずく。
「私絶対忘れないよ、多分。今日のこと、一生!」
愛里が振り返って急にそんなことをいうから、意味もなく泣きそうになる。
なんでそんなこと言うの?わからない。
でも愛里が何か隠してるのだけはわかる。
でも愛里はきっと言ってくれない。
「何それ大げさだよー笑」
私は涙目になりそうなのを必死でこらえて、最後まで届いたかわからないような小声でそう言った。