脱☆幼馴染大作戦!
「何作ってくれてるのー?」
とんとんと階段を降りる音が聞こえたかと思うと、台所に顔をのぞかせたのは圭太だ。
「めっちゃいい匂いする〜」
「秘密だよ、みちゃダメ!」
愛里がパッととうせんぼして、圭太からキッチンを隠す。
ははっ、秘密なんだ、わかった!圭太は笑った。
「日向は?」
「寝てるよー。暇だからきた。」
「あらそうなの」
「うん、それに部屋に日向と二人だと喧嘩になりそうだし。」
ん?
「喧嘩?誰と誰が?」
「俺と日向が。」
「何で?」
「何でって…」
圭太は、え、分からないの?というような目で私をみて、
それから、愛里をみた。
「いーちゃんは鈍感なんだよ、気づいてないの。」
愛里がにやっと笑って、圭太にそういう。
「う、うそ、気づいてないの?」
2人して何なの?私のどこが鈍感だって?
何に気づけば満足なわけ?
「教えて!何?」
「日向が」
「日向が?」
「…いや、やっぱやめとこう!」
圭太はそこまでいって、やめてしまった。