脱☆幼馴染大作戦!
だって可愛いのが悪いんじゃん。
日向がキスしてっていったんじゃん。
私、悪くないもん。
と、言い訳しながら罪悪感に胸が痛みながらも、それよりも幸せだと感じてしまう自分を情けないと思えない。
自分に甘いのかな。
私、最低。でも今最高に幸せだ。
気づいてしまった。
いや、もっと前から気づいてたのかな。気づかないふりしてただけ。
圭太のことが愛しいと思うしキスもしたいしその先もしたいのに、
日向を目の前にすると、いてもたってもいられないくらいの欲に駆られた自分に。
なにこれ、世の中の人はこんな感情になった時どう処分してるの?
ふたりとも好きなんだよ、心から。
「…んっ、色香、長い…っシミズたち来ちゃうよ」
日向が、私の肩を持って引き離す。
「日向がしてっていったくせに。」
「そうだけど…」
「日向、顔赤いよ」
「うるさい…」
「かわいい」
「…やめろ噛むぞ」
そんなやりとりをしていると、「いーちゃーーーん、さーくーらーばーくーーん、ご飯できたよぉぉーー!!」
と元気な愛里の声が下から聞こえた。
「今のでお腹いっぱい。」
日向がサラッとそういってガチャリとドアを開けた。
そして、私を振り返る。
「?」
スッと耳元に近づく日向の唇。
「シミズには内緒ね。」
その声に、ゾクゾクして、こくん、と頷くことしかできなかった。