Live as if you will die tomorrow
崇のよそよそしさに、一抹の不安が過る。


ーまさかな。


掌の上にある、USBを見つめた。


崇は情報屋としては天才だ。


色々感づいた事があったのかもしれない。


いやでも、そんなに繋がるもんだろうか。


どこまで、崇は知っただろう。


そういえば、出会ったばかりの頃、崇は俺の仕事を知っていた。

それはどうしてだったんだろう。


「……甘く見たかな。」



崇に頼まなければ良かっただろうか。

だが、自分で調べる気になっただろうか。


過去の事に関して、自分は信じて疑わなかった。


全ては良い事しか入ってこなかった。


正しいと思い込んでいた。

思い込まされていた。




ーあの時までは。





気が重いせいで、身体までのろのろと動きが悪い。

そんな己を叱りながら、二階に上がり、PCの電源を入れる。


デスクトップが出てきたのを確認し、青いUSBを挿し込んだ。




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