Live as if you will die tomorrow
「ー俺は、ずっと居るよ。」
ソファは、ドアに背を向けていて、出て行く間際の崇の顔は見えなかったけど。
ドアが閉まる間際に、放たれた言葉はしっかり聞こえていて。
ー『俺、裏切ったりしないよ。』
ー『俺はルナに自分を縛る。』
今より幼さが残る少年の頃の崇の記憶と繋がる。
「確かにお前は、変わりそうにないな…」
ー今迄も、これからも、あの時のまま。
ドアから入ってきた空気によって、充満していた煙は幾らかは薄らぎ。
その切れ目に、一瞬だけ。
消えて失くなる直前に。
『もう一つの意味』が垣間見えた。
…離別、と恋の哀しみ。
音になることさえない、その意味は。
再び昇っていく煙によって、俺の中から完全に消えて、直ぐ、見えなくなった。
寒そうな襟足。
眩しすぎる、笑顔の記憶と共に。