Live as if you will die tomorrow



最近調子が悪かったけど、やっと喉のつかえが取れたかのように、いつも通り笑えた。


そんな俺を見て、空生は、そんなのがいるんだ、とやっと興味を持った。


ー崇には悪いけど。


首を突っ込みたいのを、酒を呷ることで、なんとか堪えている。


ーお前からも、空生からも、あの女は引き離してやりたいからね。


「一度接触してごらん。きっと素直になんでも言うこと聞くよ。」


「んー…そだなぁ。考えてみる。」


空生の思案顔に、蘇る姿は、消えた筈の彼女と重なる。


寒そうな、襟足。


ー俺の前から消えて。


俺の嫌な記憶を引き連れてくるから。


ー早く、居なくなって。


空生、消してよ。



そうじゃないと。


ー俺の大事なものが、守れないんだ。
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