Live as if you will die tomorrow
ミサキは期待以上に動いた。
それを崇はいつもつまらなさそうに見ていた。
俺はそれで良かったし、ミサキだって同じ気持ちだった筈だ。
空生がどうだったかは知らないが、相変わらず淡々と仕事をこなしていった。
時間はいつもゆっくりと、時に飛ぶように過ぎて行く。
それは、俺たちだけではなくて。
誰にとっても、そうなのだろう。
そして、来訪者はいつも突然にやってくる。
「あれ、誰かと思ったら。美咲ちゃんのおにーさんじゃん。」
崇の声に、奥でグラスを磨いていた俺はピクリと反応し、そっちの方向にそれとなく視線を向けた。
そろそろ来る頃かと思っていたから、余裕で笑えた。
「残念だけど、今日は美咲ちゃんも零も居ないよ?」
そう言う崇の横には、今からまさに持ち帰ろうとしていた別の女が潰れている。
ミサキの兄は、嫌悪感を隠す事なく表情に表した。
「ー今日は、あんたに訊きたいことがあってきたんだ。」
「えぇー?何々、超こわぁ。大丈夫だって。美咲ちゃんは零一筋だから、俺にはなびかないし。」
崇のチャラけた態度にもめげずに、男は真剣な声で言った。
「レイって男。DJ以外に何やってますか?」