Live as if you will die tomorrow


確認は、それだけで十分だった。


ーそう、終わったのね、ちゃんと。


じゃ、あとは俺が続きをしてあげればいいってことか。


空生が居なくなった後、残されたグラスの中には、溶けない氷と、鍵が入っていて、それが空生の「またね」だった。


空生がこの街に帰ってくるのに、俺はマンションを一つ貸してやっていて、この鍵は持っていていいと言っているのに、空生は「メンテよろしく」と返して行く。


それは必ず去り際の一杯を呑んだグラスの中。


キーホルダーも何も付いていないただの鍵。


中にICチップが埋め込んであるっつーの、と呆れるのだが、このやり方がなんとなく俺は気に入っていた。


また帰ってくる迄キープしていてと、言われているようで。




そんなの、俺の勝手な思い込みだけれど。
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