Live as if you will die tomorrow
崇がちょうどその前に居た遊びの女を見送りに行っている間に、この女がふらふらと来て、座ってしまったのだ。
まぁ、空いたグラスは片してしまったし、座るな、とか、崇、とマジックで名前が書いてある訳じゃないから、仕方ないっちゃ仕方ないけど。
弾む会話に、ちらと目をやると、女は満更でもない顔をしている。
計算通りだ、と思っているようにも見える。
でもどこか、諦めているような雰囲気もある。
ーあれも崇に喰われるかな。
カウンターの客がどんどん崇の餌食になっていくのは後味が悪い。
かといって止めてやるほどの優しさも俺にはない。
ただ、酔い潰すのだけは勘弁だ。
酒を出しているこっちに火の粉がかかるのが面倒だから。
そうこうしている内に、ルナは零のステージで、大盛り上がり。
別世界のカウンターの二人を除いて、客は総出で零のパフォーマンスに夢中だった。