Live as if you will die tomorrow
だんだん面倒になってきた所で、女の方が小さく笑った。
それを聞きつけた崇も満足げに頷いて。
「カノンちゃんは楽しんだもんなぁ?」
と訊ねれば。
「んー!たのしー」
へらり、笑うカノンに、こいつはもう堕ちぶれた女だと判決を下した。
しかし何度も言うけれど。
「…崇…そうやって何回持ち帰ったよ…客喰うのやめてくれよ。」
ルナとしては、あまりよろしくない。
しかも本日は既に二人目だ。
一応無駄だと分かっているが、注意したくなる。
客商売に評判は大事だ。
だが、予想外に俺の忠告に黙り込んだのは、カノンだった。
今の今まで、あれだけ上機嫌だった女が、一瞬にして肩を落とし項垂れている。
「カノンちゃん?眠たいの?送ろうか?」
崇も気付いたらしく、直ぐに顔を覗き込みながら訊ねる。
ただ純粋な心配なんて皆無だろう。
そもそも酒を呑ませたのは崇だったから、潰れそうなこの状態は計画通りといった所だろう。