Live as if you will die tomorrow
「葉月、こんなのが、どうしてそんなに好きなの?」
読み終わって、絵本から葉月に目をやると、小さな寝息を立てて、気持ち良さそうに眠っている。
「ー寝ちゃったか。」
仕方ないな、と笑って、本を閉じ、傍に置いた。
俺からしてみれば、この絵本の主人公は、自分勝手に散々月を振り回した挙句、マザコンだった、と。
そういう風にしかとれなかった。
葉月が何度も読んで欲しいと言う理由がわからない。
ましてや、ママ、とか。
ママ、と母親がイコールで結ばれて居ないから、まだよくわからないのかもしれない。
小さな身体をそっと抱えて、部屋を出る。
「あ!」
葉月の部屋は、二階の奥だが。
案の定、廊下に出た時点で、行方を捜していたらしい凛子に会った。
「やっぱり、燈真様の所でしたか!もしかしたらと、今から伺う所だったんです。勉強してらっしゃるのに、、申し訳ございません。」
直ぐ様、葉月を抱えようとする。