Live as if you will die tomorrow







金曜日。

俺はルナを空けて、完璧にオフ。

空生も『清算』の為に今日明日は来ないと分かっていた。来るのはきっと日曜だ。

今回はそれで、おさらばだろう。

次に空生が帰って来るのは、何年後か。


「…いや、今回は、もっと早くに帰ってくるか。」


家を出た所で、一人言ちた。

空生はきっと、あそこにひとりではいられないだろうから。


外の空気は、相も変わらずひやりと冷たい。

それも駐車場までの話で、エンジンをかければ、直ぐに暖かい空気が流れ込んでくる。

一日のほとんどをルナで過ごす俺に、外気はあまり馴染みがない。



ー冬は嫌いだ。


冬の匂いが。

葉の落ちた木の枝が。



思い出させるから。


はっきりとは痛まなくとも。

疼くような、鈍い痛みを。


ーもう何年経つか。


車を走らせながら、時の流れを思う。



もう。


数えるのも面倒な位の年になった。



< 223 / 314 >

この作品をシェア

pagetop