Live as if you will die tomorrow
金曜日。
俺はルナを空けて、完璧にオフ。
空生も『清算』の為に今日明日は来ないと分かっていた。来るのはきっと日曜だ。
今回はそれで、おさらばだろう。
次に空生が帰って来るのは、何年後か。
「…いや、今回は、もっと早くに帰ってくるか。」
家を出た所で、一人言ちた。
空生はきっと、あそこにひとりではいられないだろうから。
外の空気は、相も変わらずひやりと冷たい。
それも駐車場までの話で、エンジンをかければ、直ぐに暖かい空気が流れ込んでくる。
一日のほとんどをルナで過ごす俺に、外気はあまり馴染みがない。
ー冬は嫌いだ。
冬の匂いが。
葉の落ちた木の枝が。
思い出させるから。
はっきりとは痛まなくとも。
疼くような、鈍い痛みを。
ーもう何年経つか。
車を走らせながら、時の流れを思う。
もう。
数えるのも面倒な位の年になった。