Live as if you will die tomorrow




息の根を止める方法なら幾らでもある、が。


「お前のせいで俺の手が汚れるのも、癪だな。」


自分は空生にとって特別な存在なんだと勘違いされながら死なれても、腹が立つ。

どうせなら、自分が入り込む余地なんてないんだと、己の浅はかさを呪って虚無感に襲われた日々を過ごしてくれたら、生き地獄みたいで良いかな。


そうだよ、汚れる必要なんてない。

こんな雑魚相手に。

どうして俺が。




「どうかしてる」





こういう、脳天気そうな女は。

社会の染みの意味さえ知らない。


俺からしてみれば、赤ん坊同然だ。



そんなの相手に、何を本気で考えてるんだか。


いつも通り。
零に不毛な恋をした女の内の一人。


なんの力もない。

なんの後ろ盾もない。

たったひとりの、冴えない、女ってだけ。



きっと、ちゃんと説明すればわかる筈。


空生の中に入るなんて、できないってことに。



そうして、今迄通り平々凡々とした毎日を送って年取って死んでくれればいいや。


こっちの世界に踏み込むことは、俺が許さない。
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