Live as if you will die tomorrow
俺がグラスを空生に出すと、崇は不貞腐った顔をこちらに向ける。
「聞いたか、燈真。零、明日居なくなるんだとよ。」
「もう、今日になるけどね。」
時間を確認しながら言えば。
「だぁー!マジじゃねぇか。なんだよ、マジで零来るの遅過ぎだわ。今日で最後なら、もっと早く来いよ。ってか、その様子だと、また今回も、燈真は知ってたんだな?」
崇も時計を見て、五月蝿く騒ぐ。
「俺だけいつも仲間外れにしやがって。畜生。」
「お前がその場に居なかっただけだろ。」
今度は恨めし気に俺を見る崇。
「おい零、今度はいつ帰ってくんだよ。それ教えてくれたら許してやるよ。」
空生はそんな崇を小さく笑い、アブサンを一気に飲み干した。
その様子に、おかしいと気付くべきだった。
いや、その時点で気付いたとしても。
「ー俺、もう辞めるわ」
もう、遅かったけれど。