Live as if you will die tomorrow
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「あ、燈真!今呼びに来た所。」
生徒会室を出た所で、同じクラスの池永篤志(いけながあつし)に出くわした。
「池永…どうしたの?」
生徒会長を引退はしたものの、後輩からたまに意見を求められる事があって、今回もまた顔を出していた俺を、池永がにやにや笑って見上げた。
「なぁ、校門前に超可愛いコが居るんだけど!さっき声掛けられて、燈真くん居ますか?だってよ!お前いつの間にあんな可愛い彼女作ってたんだよー!!」
うりゃうりゃ、と池永は肘で俺ををつつこうとする。
「やめろって…彼女なんて、居ないよ。何かの間違いじゃない?」
首を傾げれば、池永はぶんぶん首を振った。
「いやいやいや、絶対に間違いなく燈真って言ってた!恋する乙女の顔だぜ、ありゃ。」
間違いない!と断言する池永に、俺はうんざりする。
「知らないって。」
確かに今迄何人も彼女らしき存在は居たには居た。
でもどれも、彼女、と呼べるほど、付き合ってはいない。
必要な時に必要なだけの存在、というべきか。
だから、校門の前、なんて、ベタなことあり得ない訳だ。
そんな面倒な事がし合える人間は、一人もいない。