Live as if you will die tomorrow
「いいから!とにかく呼んできてって言われたから、行ってこいよ!俺『わかりました!』って元気に請け負っちゃったんだからよ!」
「何勝手なことを…、わかった。行ってみるよ。」
仕方ないな、と自分に言い聞かせ、2階から1階に降りる。
窓から確認することもせず、人違いだったら遠くから見た時点でスルーすれば良いと思っていた。
しかし。
「………」
グランドの向こうにある正門。
そこでじっと動かないで待っている、小さな影を見つけた途端、言葉を失った。
無言で、道の真ん中に立ち止まって、静かに回れ右して戻ろうとしたのだが。
「あっ!!燈真くーん!!!」
その小さな人間は無駄に視力が良い。
そして、声がとても大きい。
運の悪い事に、道を歩く生徒の数もちらほら。
聞こえませんでした、と言うには無理がある。
戻ろうと出し掛けた片足を、さりげなく元に戻して、笑顔を作った。
そして、近づく。
「柊さん、どうしたんですか。こんな所までわざわざ。」