Live as if you will die tomorrow
「燈真くんは素っ気ないなぁー!どうかな?私達、年も近いんだし、姉弟みたいに仲良くしたいんだけど…」
「無理でしょう」
肩を摩りながら、理想を言う柊に、俺は中途半端に踵を返したままの姿勢で、呟いた。
「ーえ?」
訊き返した柊に、俺は笑顔で応じる。
「いえ?何も。折角来てくださったんだから、僕としても案内してあげたいのは山々なんですが、今日はまだ生徒会での仕事が残ってしまって居るんです。本当にすみません。」
「ううん!私こそ、燈真くんの時間とか考えてあげなくてごめんね。また今度にするね。」
一瞬強張ったが、直ぐに和らいだ柊の表情から察するなら、俺の呟きは少なからず彼女の耳に届いたが、どうやら聞き間違いだったようだ、という結論に達したようだった。
「今日は寒いので、運転手に迎えに来てもらったらどうですか。」
柊は車を使わない。
大概、公共の交通機関を利用して行動する。
だから、今日も駅からは歩きかタクシーか。
恐らく前者だろう。
「良いの良いの。ガソリン勿体無いし!歩いて帰れば痩せられるし!じゃ帰るねー!」
貧乏性な柊はバイバイと手を振って、正門から出て行く。
俺は最後まで見送ること無く、彼女に背中を向けた。