Live as if you will die tomorrow

ーどうせ、奥様方の自慢大会と噂話だろうな。



部屋に入って、シャツのボタンを外し、ぼんやりとそんなことを思った。

静は実の母親ではない。

後妻という奴だ。かといって、自分の血は純血か、といえば、そうじゃない。

いわゆる、妾の子、だろうと推測している。


直接言われた訳ではないが、幼い頃の記憶は、乳母に育ててもらったものしかないし、前の義母の俺への見方が尋常ではない程嫉妬に満ちていた。結局、子供ができないまま、離婚に至った。

父親の再婚相手はこれで3人目になるが、俺への風当たりのキツさを、静も持っている。


ほとんど俺と接しないし、毎日、散々お茶会を開いて、自分の金持ちぶりを近所の奥様方に自慢している。

勿論、彼女達もそれに対抗して、結果、自慢大会になるという訳だ。



初めて我が家にやって来た時や、父親の前では、人が変わったようにおしとやかになる。




それもまぁ、3人目となれば、慣れた。


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