Live as if you will die tomorrow
18







「大学合格おめでとうございます」



合格発表の日。


父親の希望通りの大学を無事に合格した俺は、高校に報告がてら出て、帰宅すると直ぐに凛子達に出迎えられた。


葉月に至っては、紙吹雪を用意していて、階段の上からパラパラと撒き散らしている。



「ありがとう。早いね、情報が。」



自信はあったが、やはり気負って居たのだろう。

肩の荷が下りた気がして、力が抜けた。


4月からは、また邁進していかなければならない。



「おにーちゃん。抱っこ。」



ト、タ、タ。


階段を不器用に降りてきた葉月が、両手を広げてお願いする。

汗ばんだ掌に、黄緑色の紙吹雪の一片がくっつていて、微笑ましい。


「おいで。」


鞄を凛子に預けて、葉月に応じてやると、小さな手は、素直に俺に全てを預けた。



「あらあら。本当に、葉月様は、お兄様が大好きなんですね。」


それを見ていた周囲に、和やかな空気が流れる。


ただ、その中に、こういう事が滅法好きで、直ぐに飛んできそうな彼女は含まれていない。



「柊さんは、まだ体調悪いの?」


俺の問い掛けに、真っ先に答えたのは、葉月だった。



「うん。なんかねぇ。ごはんも食べれないみたい。」








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