Live as if you will die tomorrow
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月が、大分高くなった頃。


階段を上ってくる軽い足音。





「子供を使うなんて、随分卑怯な手を使いますね。」




壁に寄りかかって待っていた俺は、柊が二階に辿り着いた所で、口を開いた。




「!燈真君…それ、どういう意味?」



一瞬驚いた表情を浮かべた後、柊の目が細められた。


まるで、言っている意味を見極めようとしているかのように。



「葉月に言われました。貴女のことが嫌いなのかって。」


「それはっ…そのっ…」


顔を赤らめた柊は言葉に詰まる。



「ーどういうつもりですか。僕と仲良くして、どうするんですか?」


俺はそのまま、柊との距離を縮めていく。



「葉月を取り込んで、僕も取り込んで、この家をどうするつもりですか?」



「そんな…どうするつもりもーただ、折角家族になったんだし、皆で仲良くなりたいって…」



じりじりと詰め寄る俺と、逃げようとする柊。

その目には、動揺と疑問が広がっていた。



「この際だから、はっきり言っておきますけど。」



俺は容赦せずに、その枝切れのような手首を掴まえる。



「貴女は僕等の疫病神なんです。」



仕組まれた。

しかし、気付いてしまった。




破壊へのタイムリミット。

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