Live as if you will die tomorrow
21
煙たい、部屋。
ソファにだらしなく横になって、アーム部分に頭を乗っけて。
ローテーブルの上には、茶色い小瓶と、スポイトが転がっている。
グラスも同様に空になって、俺の手にぶら下がっている。
《次は、有我元首相の発言です…》
テレビの画面。虚ろな目で、それを見つめていると。
バタバタバタバタバタバタ。
慌ただしい足音が、階段を駆け上がってくるのが聞こえた。
直ぐに、バーン!と派手にドアをぶち開けて、俺の鼓膜を痺れさせたのは。
「お兄ちゃん!またこんなとこで寝てた!!!」
8歳の妹の、怒っているような声。
「くさいっ」
おぇ、と顔を歪ませ、葉月は寝転がってる俺の目の前に立つ。
「もう!またこんなの飲んで!」
腰に手を当てて、プンスカ怒る葉月の背中には、ショッキングピンクのランドセルが光っている。
「テレビもつけっ放しでぇ!ニュースなんか観てない癖に!!」
テーブルの上にあるリモコンを奪われ、画面は真っ暗になった。