Live as if you will die tomorrow
「葉月…もっと小さい声でしゃべって…頭に、響く…」
「おーにーいーちゃーん!?今何時だと思ってるの!私、今日は早帰りって言ってたでしょ!?今日こそ、どこかに連れてってくれるって約束だったでしょう!?」
定休日のない俺の仕事。
昼間は身体を休める事が多い。
葉月との時間だって殆ど取れない。
同年代の友達と中々馴染めない葉月が、どこかに行きたがるのは、当然だった。
「んー…パス…」
ただ、俺もやっと色々気流に乗ってきた所で、体力にも限界というものがある。
「ふざけないで!」
「ぐぇ」
無論、それが葉月に通用する筈もなく、俺はここでこうして、首を絞められることになる。
「家で待ってて、って言ったのに!いっつも家に居ないし!」
馬乗りになった葉月は、いつの間にか目に涙を溜めていて、語尾は声が裏返った。
「…わかったって。」
その小さな背中をぽんぽん、と優しく叩くと、葉月は掴んでいた俺のシャツを、ゆっくりと放した。