Live as if you will die tomorrow


数十分後。



小学生と中学生でごった返す文具店の前で、俺は、座り込みながら煙草を吸って、葉月が出てくるのを待つ。




ーなんでまぁ、こんなことに。



子供なんだから、遊園地とか、動物公園、とかなんとかって言うのかと勝手に思い込んでいた。



チラ、と、店の中に目をやると、キラキラした顔で葉月が人気キャラクターの描かれたポスター前にいるのを発見。




ー友達、欲しいのかな。



葉月が友達を家に連れて来たのを見たことがない。


登下校も一人みたいだったし、学校生活に馴染めていないのは一目瞭然だった。



俺にそれをこぼしたことは一度としてないが、そんなに辛そうにも見えなかった。



だが、葉月だって結局は皆と一緒が良いのだ。


だから、こうして、クラスメイトの間で話題になっているキャラクターの文具を買って、人の気を引きたいのではないか。



現に、葉月がなんとかっていうキャラクターのテレビ番組を観ているのを見たことがない。



ーあ、でも、俺も大体居ないから、もしかしたらチェックしてるのかな。



夜の時間帯は、葉月に夕飯を食べさせてから、出て行く。


その留守番の時間帯に、何をしているのかは把握していなかった。
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