Live as if you will die tomorrow






「待てこの野郎!!!!」



ちょうど3本目の煙草を、コンクリに押し付けた所で、穏やかじゃない声が響いた。


そろそろ、店主と道行く人達の視線が、険しくなってきたのを感じた俺は、店の裏側に回ろうと腰を上げたばかりだ。




ー喧嘩か。



振り返ると中学生位の風貌の男がひとり、偉い速度で近くの踏切を走り抜けて行き、それをでかい男達が一斉に追って行っていた。



ーあれ。



俺は動向を目で追いながら、一瞬だけ、文具屋に視線をずらす。


葉月は、まだ黙々と文具を選んでいる最中だ。



その腕に引っ掛けたカゴは既にいっぱいになっているのだけれど。





ー少しだけ、抜けても大丈夫かな。





俺は急ぐでもなく、いつも通りの足取りで、踏切の方へと進む。


4本目の煙草に火を着けながら、渡り切った所で、カンカンカンと遮断機が下がる警報音がした。

「ったく、てこ辛せやがって」


一方通行の路地に入った所で、直ぐにさっきの団体を見つける。



複数の男が息切れしているのはバレていたが、形勢はさっきとは別方向に傾いたようだ。
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