Live as if you will die tomorrow
他の喧騒から離れて。
カンカン、と鳴る鉄の階段を上る。
そこには、スタッフルームがあって、中はコンクリートの打ちっ放しになっている。
赤いソファに腰掛ける俺に対して、崇は立ったまま、物珍しそうに部屋を見回していた。
「なんで、崇は、俺の仕事に…いや、ルナの事を知ったの?」
Notte di Luna
クラブの名前を、満月と付けたのは。
「なんで…って…んー、そりゃ言えねぇな。俺にそういう能力があるって言っとけばいいかな。」
「なんだそれ。一体どこまで知ってんだよ。」
「そうだな。ヤバイってことはよく知ってる。でもって世界を動かすよね。」
月には、表と裏があるから。
「そんな大それたことじゃないけど。確かに、日本の汚い部分は担ってるかな。」
裏側は、地上からは絶対に見えないから。
「で、要らない議員消してくのに、俺はどうしたらいい?」
「失礼だな。消すだけが仕事じゃないのに。つーか、お前本当にそれどこで知ったの?かなり企業秘密なんだけど」
誰も見ようとなんか、しないから。
「俺、裏切ったりしないよ。」
警戒心を露わにした俺に、崇はにやっと笑った。
「酒と、女さえあれば、俺はルナに自分を縛る。」