Live as if you will die tomorrow
「せんせー、葉月さんは宿題をサボっています!」
茶化すようにして、崇が手をピシッとあげてみせる。
「!うっさい崇!サボってない!」
「葉月。」
カ、と怒りと恥で顔を赤くさせた葉月に、低い声を掛けるとたちまちしゅんと肩を落とした。
「…まだやってない」
「ちゃんとやらないと、明日お前が泣くことになるよ。」
「…はい。」
明らかに不服な顔をしているが、とりあえず返事が出来たのは偉い。
「夕飯、作っといたから。家に持って返って食べな。」
包みを差し出せば、スツールから下りた葉月は、素直にそれを受け取って、奥の階段へと向かう。
「仮病使って明日休んじゃえばやらなくて済むぞー!」
崇がとぼとぼ歩きの葉月の背中に、バッドなアドバイスを差し入れ。
それが当たったらしい葉月は、鬼のような形相で振り返り。
「うっさい、バカシと一緒にすんな!」
思いっきり怒鳴って、逃げるようにダッシュした。
「…聞いた?燈真。お前の妹、崇をバカシって…酷すぎねぇ?」
クックと笑いながら、崇はグラスに口を付けた。
「アブジンスキー、、、良いねぇ。」
「ま、ね。良い仕事してくれたからね、お礼。」
葉月が二階に上がり、扉を閉めたのを確認した俺は、崇に仕事の話を振る。