Live as if you will die tomorrow
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「ねぇ、『レイ』の子、今日は機械触ってくかな?」
「さぁな。でも、チラっとくらい出てくるんじゃね。」
「気分のってれば、だよね。最近割と多いから、期待しちゃおうっと。」
季節はもう、冬を越えて、限りなく春に近づいて。
カウンターで、シェイカーを振るう俺も、三寒四温の寒暖差に嫌気が差してきた頃。
「はい、シャルドネ。」
「あ、ありがとうございます!」
前に座ったカップルの会話が引っかかり、なんとなしに訊ねてみる気になった。
「『レイ』の子って?」
実はこの所よく耳にする単語で、客の会話の端々に捉えていた。
特に気にもしてなかったのだが。
「あ…えっと…名前わからないから…そう呼んでるだけで…っていうか、お兄さんの方が知ってるでしょう?教えてくださいよ。」
怒ったように訊き返されても、意味が分からない。
「ほら!」
女の前で固まる俺に気を遣ってか、男の方が慌てて口を開いた。
「たまにふらっと、12時に来る人ですよ、金髪の。大抵零時に来るから、誰からかは知らないけど、いつの間にか皆『レイ』とか『ゼロ』って呼ぶようになったんです。」
「ねぇ、『レイ』の子、今日は機械触ってくかな?」
「さぁな。でも、チラっとくらい出てくるんじゃね。」
「気分のってれば、だよね。最近割と多いから、期待しちゃおうっと。」
季節はもう、冬を越えて、限りなく春に近づいて。
カウンターで、シェイカーを振るう俺も、三寒四温の寒暖差に嫌気が差してきた頃。
「はい、シャルドネ。」
「あ、ありがとうございます!」
前に座ったカップルの会話が引っかかり、なんとなしに訊ねてみる気になった。
「『レイ』の子って?」
実はこの所よく耳にする単語で、客の会話の端々に捉えていた。
特に気にもしてなかったのだが。
「あ…えっと…名前わからないから…そう呼んでるだけで…っていうか、お兄さんの方が知ってるでしょう?教えてくださいよ。」
怒ったように訊き返されても、意味が分からない。
「ほら!」
女の前で固まる俺に気を遣ってか、男の方が慌てて口を開いた。
「たまにふらっと、12時に来る人ですよ、金髪の。大抵零時に来るから、誰からかは知らないけど、いつの間にか皆『レイ』とか『ゼロ』って呼ぶようになったんです。」