Live as if you will die tomorrow
ー成る程。
「俺たち、ファンなんです。結構他にもいて…でも、入り口の人とか、クラブの人に訊いても、よく知らないっていうし、本人に訊くと嫌がるって専ら有名なんで…。バーテンダーさん、何か知ってます?」
最近の集客率の上昇の理由はコレか。
客層にも変化があって、新顔が増えた。
「…へぇ。」
納得した俺は困ったように笑って見せる。
「残念だけど、俺もよくは知らないな。でも、その内本格的にDJとして活動するって話はチラっと聞いたけど。」
「本当ですか?」
「やったな!エミ!」
嬉しそうにはしゃぐカップル。
その傍らで、淡く黄金に輝くシャルドネ。
それを見ながら。
ー野良猫じゃなくて、金の卵を産む雌鶏だったか。
良い拾い物をしたな、とほくそ笑む俺。
性格が悪いと言われても、自覚があるから仕方ない。