Live as if you will die tomorrow
翌日の昼過ぎ。
昨晩がまるで嘘かのように、静まり返るルナ。
カウンターには、俺と崇が、スツールに腰掛けて仕事のやりとりをしていた。
そこへー
「お兄ちゃーん!」
妹の元気な声がして、脳が強制的に切り替えられる。
崇の緩んだ顔も、更に緩む。
「…悪い」
立ち上がって、奥の方を覗けば、ランドセルを背負った葉月が、えへへと顔を出した。
「何、早くない?」
「せいせきつけるからって、今日から3日間早帰りだって」
お手紙にも書いてあったでしょ、と言われても、見た覚えも、貰った覚えもない。
「ーとにかく、家の方に帰りなよ。宿題あるんでしょ。」
「上でやるー」
「上でって…」
「おかえりーバカ月」
「バカじゃないもん、バカシ!」
「いやいやバカ月には負けますよ。」
「!!!」
スタッフルームに向かおうとする葉月に、いつもの如く、崇がちょっかいを出す。