神様はきっともう罰しないから
藍の触った頭のてっぺんに手を添える。

ああ、気持ちが、ついていかない。
だって私たちは、こんな風にいきなり距離を近くしてはいけないんだ。
私は、藍を傷つけて捨てた女なのに。

藍は私にもっと冷たくしないといけないし、拒否しなくてはいけない。
こんな風に気軽に(短期間とは言え)同居なんて、してはいけないのに。

第一、藍は何を考えて、ここにいるの。

ため息を一つついて、藍のいなくなったテーブルに戻り、座った。スプーンで雑炊を掬って口に運ぶ。


「……美味しいよ。藍」


小さく呟いだ声が、誰もいない部屋に落ちた。



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