神様はきっともう罰しないから
結局撮影が押して(朱鷺さんに圧倒された女の子が泣いて大変だった)、お店を閉めた時には七時に差し掛かろうとしていた。
外はすっかり暗くなって、びゅうっと吹いた夜風が冷たい。
コートの合わせ目を押さえてぶるっと震えた。
「ああ、朱鷺さんの人相がもう少し良ければ、早く帰れたのになあ」
「けん、うるせえ。おい、花。お前、その手じゃメシ作るのも面倒だろ。どっかで食って帰るか」
お店の施錠をした朱鷺さんが言う。
「わあい、やったぁ。朱鷺さん、僕ラーメン食べたい。いつもの喜楽で!」
けんちゃんがぴょんと跳ねた。
「いいぞ。花もそれでいいか?」
「いいんですか、わあ……って、やっぱダメだ。すみません、今日は帰ります」
藍のことを思いだしたのだ。
確か七時って言ってたから、もしかしたらもう帰りついているかもしれない。
「花ちゃん、用事でもあるの?」
けんちゃんが首を傾げた。
「用事って言うか、田舎から幼馴染が来てるの。待たせたら、悪いから」
「幼馴染、か。そっかぁ。それは仕方ないね。じゃあ、僕が花ちゃんの分までラーメン食べておくよ。背脂とんこつチャーシューだよね」
「ふふ、よろしく。 じゃあ朱鷺さん、すみませんが、今日はここで失礼します」
「おう、じゃあまた明日な」
ふたりに手を振って、駅へと向かった。
外はすっかり暗くなって、びゅうっと吹いた夜風が冷たい。
コートの合わせ目を押さえてぶるっと震えた。
「ああ、朱鷺さんの人相がもう少し良ければ、早く帰れたのになあ」
「けん、うるせえ。おい、花。お前、その手じゃメシ作るのも面倒だろ。どっかで食って帰るか」
お店の施錠をした朱鷺さんが言う。
「わあい、やったぁ。朱鷺さん、僕ラーメン食べたい。いつもの喜楽で!」
けんちゃんがぴょんと跳ねた。
「いいぞ。花もそれでいいか?」
「いいんですか、わあ……って、やっぱダメだ。すみません、今日は帰ります」
藍のことを思いだしたのだ。
確か七時って言ってたから、もしかしたらもう帰りついているかもしれない。
「花ちゃん、用事でもあるの?」
けんちゃんが首を傾げた。
「用事って言うか、田舎から幼馴染が来てるの。待たせたら、悪いから」
「幼馴染、か。そっかぁ。それは仕方ないね。じゃあ、僕が花ちゃんの分までラーメン食べておくよ。背脂とんこつチャーシューだよね」
「ふふ、よろしく。 じゃあ朱鷺さん、すみませんが、今日はここで失礼します」
「おう、じゃあまた明日な」
ふたりに手を振って、駅へと向かった。