悲恋-HIREN-
喫茶店に入ると那智がいた。
「紗和、こっちおいでよ!」
あたしたちは那智に呼ばれ、四人席に座った、
「噂の幼馴染み?」
那智はあたしに小声で聞いてくる。
あたしはそれに頷いた。
すると那智は………
「初めまして、春日くん……だよね?
あたしは那智って言いまぁーす!!
今んとこ紗和の親友♪
よろしくね!!」
那智、思いっきり態度違うし。
春日狙い?
「俺は春日って言います。
よろしく。」
春日のほうは思いっきりめんどくさそうな感じ。
「春日くん、冷たーい♪
ねぇねぇお化け屋敷行ったぁ?
結構怖いみたいでね?
那智、一人じゃ入れなぁーい♪」
………那智、少し場をわきまえてよ。
「俺、紗和と入ったから。
それに一人で入れないなら誰かと入ってきなよ。」
春日は自分にアタックされてること気付いてない………?
那智が少しかわいそうだなぁ。
「あ、ふふふ♪
春日くん天然だね?
おもしろくなっちゃった♪
それに…………紗和、あとで話あるから。」
そう言い残し、那智は喫茶店から出ていった。
「あの女、本気で紗和の親友?」
春日はめんどくさそうに聞いてきた。
そりゃ友達の彼氏に手を出そうとするわけないと思うけど、那智は知らないから。