悲恋-HIREN-



あたしもチョコレートケーキを食べる。


生徒が作ってるのか疑うぐらい美味しかった。




「うまい?」



「うん♪

このあとどうする?」



「俺、またお前のクラスに行きたい。」



嬉しいこと言うなぁ………。



「わかった!!」






あたしと春日はケーキを食べ終わり、教室に戻った。



クラスに戻るとお客さんが少なかった。



「紗和!お前、急いで仕事しろよ。」



将希がキレ気味に言う。



「なんで人少ないの?」




「No.1がいないからだよ。」



そういえば那智がさっきあたしがNo.1って言ってたなぁ。



「ごめん。

すぐ手伝うね!!」



あたしは春日に席を案内してから仕事を始めた。


キッチンに入ると那智がフルーツを切ってた。



「デートは?」



「春日がまたここが良いって言うから戻って来たの。」



「そっかぁ。

ねぇ、春日くんと紗和って付き合ってるでしょ………。」



那智は真顔で聞いてきた。


こうゆうときの那智が一番恐い。




「……………うん。

黙っててごめんね?


本当は言いたかった……。けど病気の彼氏だと同情されるから言いにくくって……。」



那智はまたフルーツを切り始めた。



「…………紗和の彼氏かぁ♪

改めて紹介してよねー!


良いなぁ、彼氏!!」



那智はいつもの笑顔であたしに話し出した。



「……怒らないのぉ?」



「なんで怒るの?

怒る理由なんてないよ。


あ、けど彼氏がいること黙ってたのは悲しいなぁ。」



「那智〜!!ありがとう。」



那智はあたしの親友だよ………。


いつもの那智なら絶対怒ると思ってたのに………。



「じゃぁNo.1、頑張って稼いで来いよぉ♪」



あたしは那智に応援されキッチンから出た。










< 15 / 104 >

この作品をシェア

pagetop