悲恋-HIREN-
あたしもチョコレートケーキを食べる。
生徒が作ってるのか疑うぐらい美味しかった。
「うまい?」
「うん♪
このあとどうする?」
「俺、またお前のクラスに行きたい。」
嬉しいこと言うなぁ………。
「わかった!!」
あたしと春日はケーキを食べ終わり、教室に戻った。
クラスに戻るとお客さんが少なかった。
「紗和!お前、急いで仕事しろよ。」
将希がキレ気味に言う。
「なんで人少ないの?」
「No.1がいないからだよ。」
そういえば那智がさっきあたしがNo.1って言ってたなぁ。
「ごめん。
すぐ手伝うね!!」
あたしは春日に席を案内してから仕事を始めた。
キッチンに入ると那智がフルーツを切ってた。
「デートは?」
「春日がまたここが良いって言うから戻って来たの。」
「そっかぁ。
ねぇ、春日くんと紗和って付き合ってるでしょ………。」
那智は真顔で聞いてきた。
こうゆうときの那智が一番恐い。
「……………うん。
黙っててごめんね?
本当は言いたかった……。けど病気の彼氏だと同情されるから言いにくくって……。」
那智はまたフルーツを切り始めた。
「…………紗和の彼氏かぁ♪
改めて紹介してよねー!
良いなぁ、彼氏!!」
那智はいつもの笑顔であたしに話し出した。
「……怒らないのぉ?」
「なんで怒るの?
怒る理由なんてないよ。
あ、けど彼氏がいること黙ってたのは悲しいなぁ。」
「那智〜!!ありがとう。」
那智はあたしの親友だよ………。
いつもの那智なら絶対怒ると思ってたのに………。
「じゃぁNo.1、頑張って稼いで来いよぉ♪」
あたしは那智に応援されキッチンから出た。